♪ 想像してごらん・・・・  

     こんな お風呂場を・・・・

      大きな「G」が 3匹 横たわっている

       そんなバスルームを・・・

   想像してごらん 

    こんな 台所を・・・

     「G」のタマゴが たくさん転がって

       「G」の子供は にぎやかに走り回る

         そして

          「G」の糞が あちこちに ちらばっている・・・

           そんなキッチンを・・・・

 ・・・というわけで、半年ぶりにわたしの父のもとへ行ってみました。

 雨の日曜日、かなちゅうバスでスイカが使えなかったのは、がっかりでした。

 父はかわりなかったのですが、Gがとてもたくさん増えていて感銘を受けました。たとえば、上記のように、いきなり風呂場でそれが死んでいたり、あと洗面台のリステリンのびんを動かすと、その影から子供Gが3匹、ちょろり~~と走ってゆきます。いままで成人したGしか見たことがなかったので、Gはイヤだなと思っていましたが、子供のGはそんなに嫌悪感をもたらす感じではなく、かわいいとすら思ってしまうのですが、それでもいちおうGの才能を秘めたGでもあるので、キンチョールの魔法をかけておきました。

それから、キッチンやお風呂場、リビングのお掃除。Gの糞はできるだけ綺麗にして、Gの卵はホウキであつめて裏庭に。子供のGを見つけたらなるべく退治して。水気がたまっているところを少なくするようにして。

それにしてもほんとうにここはGの楽園なのですね。暖かくて、食べ物も飲み物もあって、物陰があって、あまり退治されない。そして、衛星放送がいつも流れていて、すてきな音楽に満ちている部屋。

   たまご、こども、青年、成人、死体。

あらゆる世代のGが、この部屋にはあふれています。きっとこの家ひとつで食物連鎖は完成しており、Gが末広がりに増えてゆく、まさにそんな右肩上がりの予感のなかに、父の家はあったのです。

わたしは、独居の父がもしも、Gのことをいとしく思い、あえて一緒に暮らしているなら、それを邪魔するつもりはなかったのですが・・・

父は

 「6月に入ってから、急に増えやがって。突然アレを見ると びっくりするなあ。見つけると殺虫剤をかけるようにしているが、一向に減らないんだよ」

 などとノンキなことを言っています。

 み、見えませんか、この、いま足元でチョロチョロ走り回っている、このお子様方や、まるでピーナッツみたいなタワラ型のこのタマゴちゃんが、もうすぐそれになるんですってば。

わたしはすこしだけGのことを許してしまいそうになった。

おわり。